20110226 <<前日 | 翌日>>

起床時刻: 04時01分[いま起きた]ボタンで記録されました。 05時40分

今日の気分(本文)

二度寝。
昨晩の睡眠不足を挽回すべく(?)、早めに帰宅して21:30過ぎに就寝したが・・・
4時に1度目のアラームが鳴って起きたことを覚えているものの、その後の記憶が、ない。
それでも、5時台に起きられたことだけでもよしとしよう(笑)

昨夜は、初めて刑事法合同研究会なるものに参加した。
弁護士と裁判官、検察官、そして刑事法学者が集まって、注目すべき刑事裁判例や実務上の諸問題を検討するこじんまりした会合。
今回のレポーターは、道内の刑事弁護人のオピニオンリーダー格の1人で、足利事件の弁護人も務めたSさん。
題材は、最高裁第3小法廷平成22年4月27日判決。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=80149&hanreiKbn=01

殺人、現住建造物等放火の公訴事実について、間接事実を総合して被告人が犯人であるとした第1審判決及びその事実認定を是認した原判決は,認定された間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれているとは認められないなどとして、間接事実に関する審理不尽の違法、事実誤認の疑いを理由に、第1審判決と原判決をいずれも破棄し、事件を第1審に差し戻した事例。

被害者は28歳女性と、その1歳の子で、被告人は女性の夫の養親だった男性。
第1審判決(大阪地裁)は無期懲役、控訴審判決(大阪高裁)は死刑。
(死刑の是非は別として)2人を殺害して現場に火を放ったなら、死刑判決も当然あり得る事案。

この最高裁判決に注目すべき点は、単なる事例判決にとどまらず、間接事実からの事実認定のあり方について、以下のような重要な示唆を含んでいること。

「刑事裁判における有罪の認定に当たっては、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるところ、情況証拠によって事実認定をすべき場合であっても、直接証拠によって事実認定をする場合と比べて立証の程度に差があるわけではないが、直接証拠がないのであるから、情況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するものというべきである。」

「本件灰皿内に存在した本件吸い殻(※引用注:殺人・放火の現場であるマンション居室内に遺留されたタバコの吸い殻から被告人のDNAが検出された)が携帯灰皿を経由して被害者女性によって捨てられたものであるとの可能性を否定して、被告人が本件事件当日に本件吸い殻を本件灰皿に捨てたとの事実を認定した上で、これを被告人の犯人性推認の中心的事実とし、他の間接事実も加えれば被告人が本件犯行の犯人であることが認定できるとした第1審判決及び同判決に審理不尽も事実認定もないとしてこれを是認した原判決は、本件吸い殻に関して存在する疑問点を解明せず、かつ、間接事実に関して十分な審理を尽くさずに判断したものといわざるを得ず、その結果事実を誤認した疑いがあり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって、第1審判決及び原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。」

もう1点は、第3小法廷の5人の裁判官が、全員、補足意見や意見、反対意見を述べており(これ自体極めて異例なこと)、しかも、間接事実からの事実認定の手法について、多数意見(学者、弁護士、民事裁判官出身の4名)と、少数意見(刑事裁判官出身の1名)との考え方の違いが大きいこと。
少数意見は、いわば、これまでの刑事裁判における事実認定の手法(第1審・控訴審判決ともこれを踏襲している)を是認するもので、いわば、1つ1つの間接事実は弱くても、全体として見れば被告人が犯人として疑われる間接事実がこれだけ集まることは偶然ではあり得ない、したがって被告人以外に犯人はあり得ない、という"合わせ技"的な手法である。
この場合、個々の間接事実の認定が慎重に行われていればまだしも、過去にえん罪が疑われた諸事件の有罪判決では、裁判所が情況証拠から事実に基づかない推論を重ねて間接事実を認定する傾向がなきにしもあらずである。

今回の最高裁判決は、裁判員裁判の時代を迎え、このような事実認定の手法を維持していて良いのか、市民から無作為に選出される裁判員に胸を張れるか、という警告めいたメッセージではないかと、個人的には思っている。
☆僕の「三日坊主ブログ」上の拙稿「最高裁は本当に変わったのか」をご参照いただきたい。
http://www.bengoshi-blog.com/gaoh/item_11327.html

・・・と珍しく長々と書いてしまった。
宿題があるというのに、かなりやばいぞ(爆